9割ご機嫌、1割台風
私の母は、情が深い人で、大切に愛して育ててもらってきたと、認識しています。
そんな母は、1年のうち9割、ご機嫌な人です。
残りの1割で、マイナスの感情が爆発します。
笑顔が晴れやかで、社交的で、食べることと運動が好き。
喜怒哀楽が、はっきりしています。
母を動物に例えるなら、圧倒的、犬タイプ。
全力で楽しみ、笑い、感動ドラマで大号泣しています。
そんなご機嫌の日々に反して、1年に2~3回、感情が爆発する日がやってきます。
母の爆発は、私が小学生の頃から起こっていた記憶があります。
いつもの晴れやかで、あったかい母の豹変ぶりに、びっくりしていました。
物を投げるのが困りもので、これまで数々のリモコンが犠牲になってきました。
掃除機だったこともあります。
鍋を投げて凹んだ壁は、未だに健在です。
受け止めて、勇気づける
ついにやってきた、今年の爆発1発目。
母が職場からブチ切れで帰ってきました。
大きな足音を立てて帰宅し、職場用の真っ赤なカバンを地面に叩きつけるので、一目瞭然。
理由は、上司からの理不尽な指示といった、人間関係が原因のようでした。
人間関係を喜びにする人は、やっぱり人間関係で深く傷つくんでしょうか。
その点は、私にも覚えがあります。
今にも家の物を、手当たり次第に投げ出そうとする母を、どうにか宥めたいと思いました。
これまでの経験上、今まで通りの私では、力不足。
そこでふと、数か月前に、読んでいた本の内容を思い出しました。
「アドラー流一瞬で心をひらく聴き方」(著:岩井俊憲)という本です。
実践のために、私なりに解釈した大まかな内容が、
受け止めて▶勇気づける
という聴き方です。
実践で魔法のように収まった
付け焼き刃ではありますが、藁にも縋る思いで実践してみました。
「そうだったんだね、イライラしてるんだね」と、受け止めます。
「でも、その場ではぐっと堪えて、怒鳴らなかったんだね」と、行動を肯定的に確認します。
「あなたは、すごいよ。よく頑張った。誇らしいよ」と、勇気づけます。
すると、不思議なことに、本当に落ち着き出したんです。
まるで、魔法でした。
人との関係は、リアルタイムで築いていくもの
失敗続きの経験上、母を宥めることはもう無理だと、どこかで思い込んでいました。
違います。
人との関係は、リアルタイムで築いていくものでした。
今までは上手くいかなかった関係も、好転させることも可能だということです。
今、この瞬間、自分が相手とどう向き合うか。
たった1つ、これだけの積み重ねで、関係は築かれています。
方程式で、付け焼き刃でも技にしよう
具体的な方程式があると、無理やりにでも当てはめれば、技が使えます。
もちろん、思いやりや尊重の「気持ち」を、追求することも大切です。
でも、相手に伝わらないと意味がありません。
どんな伝え方なら、大切に思っている気持ちが伝わるんだろう?と考え、使ったのが方程式です。
付け焼き刃でも、母の落ち着きを取り戻すことに成功しました。
まずは、方程式に当てはめるところから始めてみませんか?
もしかすると、悩んでいた関係性が、好転するかもしれません。
以上、『尊敬する母のヒステリックな一面。「アドラー流一瞬で心をひらく聴き方」から実践で解決。人との関係はリアルタイム。』のお話でした。
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